産官学連携について
国の研究機関のプロジェクト成果を広く社会に展開する活動に加え、産業界でご活躍の企業と社会や産業界の課題について、共同研究を行い新しい学術的概念や価値創出に邁進してまいります。
リアルハプティクス技術協議会にはこれまで90社近い企業様との共同研究を行ってまいりました。 共同研究にご関心ある方は、ぜひ「お問い合わせ」からのご相談をお願いします。
共同研究の考え方
ハプティクス研究センターは、産業界にリアルハプティクス技術を応用した新しいソリューションを創出することを目指しています。
共同研究開発促進事業は、市場にリアルハプティクス技術応用によるインパクトを早期に与えることを目標として
- 具体的な製品またはソリューションに、リアルハプティクス技術応用による魅力的な機能・性能を付加すること
- 今まで放置されていた市場に、リアルハプティクス技術応用による新しいソリューションを創出すること
を狙いとして、参加企業と共同研究・開発を実施します。
プロジェクト実績
- JST「サイバー世界とフィジカル世界を結ぶモデリングとAI」
研究開発期間: 2021年5月~(探索研究 2018年11月~2021年4月)
共同研究先一覧(過去含)/リアルハプティクス技術協議会参加企業
※リアルハプティクス技術協議会にこれまで参加いただき掲載許可いただいている企業のみ
共同研究事例
建設技能作業再現システム
力触覚を再現する技術「リアルハプティクス」を適用することで、左官作業における手の動きや力、力触覚を再現可能な建設技能作業再現システムを開発しました。このシステムは、人が操作するコテを模したハンドル装置(マスター)と、現地で動作するコテを設置したAvatarロボット(スレーブ)で構成されています。
袋状食品包装空気漏れ検査システム
リアルハプティクスとMR(複合現実)技術を組み合わせた袋状食品包装の空気漏れ検査システムです。リアルハプティクスにより力触覚を数値化することで空気漏れを定量的に評価すると同時に、MR 技術を利用して作業者が装着するホロレンズに検査結果を表示することで、従来の作業工程を大きく変えることなく作業者の熟練度やモチベーションに影響されない的確な作業を実現しました。
ハイブリッド型 リアルハプティクス・インテリジェント・ロボットハンド
リアルハプティクス技術を応用した最新のロボットハンドと、AI(人工知能)技術を応用した3Dマシンビジョンを組み合わせた「ロボット選別システム」など、青果物を柔軟に優しく自動でハンドリングする数々の選別運搬装置を開発しました。
油圧駆動建設重機へのリアルハプティクス技術応用
リアルハプティクス技術を建設工事などの油圧駆動機械に用いることで、操作者が触覚・反力を感じることにより、繊細かつ安全に作業を進めることが可能になります。駆動側と操作側の「力の倍率」「距離の倍率」は任意に設定可能であり、操作側の小さな力でも駆動側は何倍もの力で大きく稼働することができます。
Think RobotⓇ/ 廃棄物発電設備 ガス化溶融炉 炉前作業ロボット
廃棄物発電設備ガス化溶融炉において、従来、人によって行われていた出湯口に凝固・付着した溶融物の清掃作業をロボットの遠隔操作で実現しました。この清掃作業には鋼製の突き棒を用いますが、強く突き過ぎると煉瓦を損傷させてしまうため、作業者は視覚だけでなく、付着物の硬さや粘り気など微妙な触覚を頼りにしながら動作を都度変える非定型な作業を行っています。本システムでは、ロボットを自由自在に操作する「リアルタイム制御技術」と、 ロボットが受けた反力をオペレータの操作レバーに伝送する「リアルハプティクス技術」を適用することで、微妙な触覚を感じながら遠隔での作業を実現しました。
【受賞】一般財団法人エンジニアリング協会「エンジニアリング奨励特別賞」
石油天然ガスの探鉱・開発・生産へのデジタル技術適用に関する研究支援事業
探鉱・掘削・開発から生産、輸送といった石油・天然ガスのオペレーション全般における効率化および高度化に向けたデジタル技術の適用を進めています。人が感じる力触覚の測定・伝送・再現が可能なリアルハプティクス技術の油井への適用として、サッカーロッドポンプ(SRP)を用いた操業中の油井の地下に設置された生産設備の稼働状況や健全性、生産量などのパラメーターの微細な変化をリアルタイムで検知することを目的に2020年度からJOGMECと共同で実証試験を実施しています。
※JOGMEC公募
Think Robot® 非定型作業ロボット
iREX2022で展示していた、MELFAロボットパートナ日鉄エンジニアリングのリアルタイム操作技術と三菱電機のロボットに、リアルハプティクス®を搭載することで実現した接触を伴う非定型作業を可能にするロボットThink Robot®をご紹介いたします。
やさしいチカラ つたえるチカラ
「リアルハプティクス®」を活用し、力加減を適切に操作できる半自律型ロボットハンド・アームの無線自律制御に成功しました。このロボットは、物を掴んだときの力加減(力触覚情報)から、物の材質を判別し、物に適した行動を自律的に選択することができます。5G と MEC(Multi-access Edge Computing)を組み合わせた、力触覚情報のリアルタイム分析は日本初の取り組みです。
Think Robot(R):香川東部溶融クリーンセンター
感触でモノを知る『感触技術』
力触覚量の強度計測による包装食品の状態判別装置